IC-705でモバイルバッテリを利用

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IC-705の電源条件

IC-705の取扱説明書によると、バッテリーパック(DC7.4V)使用時の消費電流は送信出力最大時(5W)2.5Aとあります。SSB(FT8)モードで運用時に実際に流れる電流を2A、移動運用では受信時間は少ないため送受1:1と仮定すると、バッテリパックが1880mAhなので実際の持ち時間は2時間弱でしょう。これはYouTubeのももチャンネルさんの投稿と一致します。

また外部電源(DC13.8V)使用時の消費電力は送信出力最大時(10W)3Aとあります。SSB(FT8)で実際に流れる電流を2.5Aとすると、同様に17Wh程度の消費電力と想像します。バッテリパック5w送信時7.4Whの倍よりちょっと多いぐらいですね。

外部バッテリの検討

アマゾンでポータブルバッテリを検索すると必ずヒットするのがAC100Vなども取り出せるアウトドア用と称する大型のポータブルバッテリですが、これは大きく重く、充電も扱いにくそうでお気軽運用には不向きに思えます。そこで気付いたのがモバイルバッテリ。最近の新しいUSB電源規格であるUSB Type-C PD(Power Delivery)に対応したモバイルバッテリであれば20V5A(3A), 15V-3Aなどの電源を取り出す事が出来、IC-705の電源条件にぴったり一致します。可搬性も充電のしやすさもよく、また充電器がそのままIC-705の外部電源としても使えます。問題は1点だけ、PDに対して15V3Aを送るように指示を出すICが必要です。

USB Type-C PDに対応したモバイルバッテリについては、アマゾンでUSB Type-C PDと検索すると数多くヒットします。26800mAhの表記だと96.48Wh(3.6Vセルの場合)または99.16Wh(3.4Vセルの場合)なので、稼動時間は5.6時間、余裕を見ても5時間程は10Wで運用出来そうです。なお、モバイルバッテリは和製英語で、英語表記はPower Bankです。

IC-705とモバイルバッテリの耐久力実験

モバイルバッテリをアマゾンで購入して耐久力テスト。商品ページが消滅したので購入先や仕様の詳しいご紹介は出来ません。USB Type-C PDの15V3A出力に対応しており公称値容量26,800mAh/96.48Whとお考え下さい。ちなみに私の購入価格はタイムセールやまとめ買い割引を駆使して1つ4500円ほどです。実測サイズは87.5mmx189mmx24mm、実測重さは660.5gです。また、接続ケーブルは実験時点ではShop6502さんのサイトで頒布して頂いた物を使用しました。

実験風景①

テストはコンデションが落ちて何も受信出来なくなった深夜0時の7Mhz国内バンド、アンテナはダミーロードを使用してFT8モードでCQを出しまくります。SSBでキャリアをかけて15秒送信、15秒受信のサイクルです。IC-705の電源はモバイルバッテリの15V3A出力で接続し、最大送信出力は10Wに設定しました。もちろんモバイルバッテリは完全充電状態で、USB端子からは充電しないよう設定しました。IC-705は外部電源電圧が下がると内部バッテリに自動で切り替わるそうなので、その時の動作も気になるところです。

実験風景②

途中経過を時系列に紹介しますが、時間は大まかなものとお考え下さい。

  • 0:00 テストスタート。
  • 1:30-2:00 モバイルバッテリの残量表示の4つのLEDは全て点灯し、75%-100の状態。
  • 2:20 気付くと残量表示のLEDが点灯は3つになり、50-75%の状態。
  • 6:00 寝落ちして気付くとIC-705もスリープ状態。WSJT-Xのログを見ると5:00頃に送信がタイムアウトしていたので、その後IC-705も寝落ちしたのでしょう。1時間程休憩を挟んだ事になります。WSJT-Xを起こすとIC-705もすぐに起きてくれました。画面が消えていただけなのかな?この時点で残量表示のLEDは2つ点灯し、25%-50%です。
  • 6:07 残量表示のLEDが残り1つになり、0-25%の状態になりました。出力電圧は15Vを維持しています。
  • 6:44 IC-705の電源が落ちました!残念ですが内部バッテリに切り替わる瞬間を見逃しました。

結論。公称値容量26,800mA/96.48WhのモバイルバッテリでFT8モードでCQを出しまくる(SSBで15秒送信/15秒受信のサイクル)と、5時間45分の運用+1時間のスリープが可能です。移動運用の電源はもはや、モバイルバッテリ1つで充分そうですね!

電源仕様まとめ

その後USB Type-Cに接続出来る電圧・電流計を入手して調べたところ、IC-705の外部電源(DC15V)使用時にFT8モードやCWモードで送信した時に流れる実際の電流は2A程度でした。そうなるとIC-705の消費電力は15Whですので公称値容量96.48Whのモバイルバッテリの計算上の使用時間は6.4時間、実際は5.75時間だったので公称値の9割程が実際に使える容量のようです。

今回の検討・実験から、USB Type-C PDモバイルバッテリを使用して10Wで移動運用するための電源仕様を私なりににまとめました。

機材等 仕様
USB Type-C PDモバイルバッテリ 出力45W以上で、15V3Aに対応したもの。
(USB PDの規格上、45W以上であれば15V3Aに対応してるはず。15Vでは3Aが最大電流となるため、出力60Wや100Wを使用しても15Vでは3Aが最大。)
USB Type-C PD充電器 使用するモバイルバッテリの充電電力以上。
 ※出力45W以上のものを使用すると、IC-705の外部電源としても使える。
USB PD~IC-705接続電源ケーブル USB Type-C PDに15V3Aのトリガが出せるもの。
(アマゾン等で販売されている似た形状のケーブルの多くは出力がDC20Vであったり、5Vを昇圧して15Vにするため電流容量が300mAであったり、入出力が逆であったりするため本用途ではほぼ使えない)
 ※モバイルバッテリ~IC-705の接続、USB Type-C PD充電器~IC-705の接続にも共通で使える
 ※動作確認済のものはShop@Enkai-Netでも頒布中
連続使用時間 モバイルバッテリの公称容量Wh ÷ 15Wh × 0.9
※モバイルバッテリの公称容量Wh ≓ mAh × (3.6V or 3.7V)
仕様:IC-705とUSB Type-C PDモバイルバッテリで10W運用

フィールドでの使用

カーフェリーでは渡れない厳島に、ハンドキャリーでIC-705を持ち込んで運用してきました。海沿いのベンチを1つ拝借して、海を見ながらの運用は気持ちが良かったです。実はこの運用は周囲に人が多く安全を考慮して出力5Wだったのですが、その後、瀬戸内海のとびしま海道の島々計8島をめぐり1日中モバイルバッテリのみで出力10Wでの移動運用を楽しみました。

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