ハンディ無線機TH-F7使用レポート

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昨年秋に、長年愛用していた名機C-520の430MHzの受信感度が極端に悪くなって、修理にチャレンジするもあえなく敗退、JARL臨時総会の警備要員として参加するのに必要だったので、急遽機種選定を行ってKENWOODのTH-F7を購入しました。2ヶ月余り使っての使用レポートをお届けします。

デュアルワッチ機能

144/430MHz帯の同時受信が可能で、これは必須条件でした。ただし、C-520の様にVHF側/UFH側と固定されている訳ではなく、メインバンド/サブバンドっと言う分け方なので、少し使い勝手が変わります。メインバンドはアマチュア無線帯専用、サブバンドは広帯域受信対応で、アマチュア無線帯であれば送信も可能です。そこで便利なのが同一周波数帯域内での同時受信が可能なこと。メインバンド側で430MHz帯で交信中にサブバンド側では同じ430MHz帯の呼び出し周波数を受信しておき、同じ仲間の声が聞こえたら瞬時に切り替えて誘い込む・・・なんて芸当が可能です。まぁ昔と違って周波数がガラ空きなので、そんな機能はなくても友人の交信を探しそびれることはないんですが、JARL臨時総会の警備要員中には早速役立ちました。常に連絡周波数と呼び出し周波数を同時に聞いていたので、友人のCQの他、時々あった道案内の希望を聞き逃さなかったのはこの機能のおかげです。

広帯域受信機能

使うか使わないかは別として、かなり広帯域をカバーしてくれるは嬉しいですね。中でもAMラジオ放送や7MHz帯などHF帯のSSBが受信出来ることが機種選定の決め手となりました。ところが!

当然のことながら、外付けした状態で持ち運べて、それらの受信に対応した市販アンテナはないので、短波帯は市販のAMラジオで使われているような内蔵のバーアンテナで受信するんですね。この性能は当然、携帯ラジオ程度です。もちろん外部アンテナに切り替えることは出来ますので、外出先で携帯ラジオ以上の性能を期待する場合は、特別なアンテナが必要です。また、SSBはフィルターが入ってないので全く使い物になりません。カタログ等の商品説明にも「広帯域受信機能はオマケ機能で期待はしないで下さい」的なことがはっきり書かれてありますが、全くその通りでした。これから購入される方は、くれぐれも機種選定の決め手にはしないで下さいね。

操作性/携帯性

C-520もそうでしたが、小さな筐体に少ないボタンで、多くの機能を詰め込んでいるのでメチャクチャ使いにくいです。一番気に入らなかったのが上部にあるつまみ、上が周波数で下がボリュームなんですが、これは慣れるまで苦労しました。C-520に慣れた私の感覚では、上はボリュームで下はスケルチ、周波数は別にあるんですね。でもこれは慣れるとすぐに納得しました。実際に使ってみると、スケルチは触ることがなくボリュームもほとんど使わない、確かに上部の周波数選択のつまみしか使わないんですね。正直、KENWOODさんに負けた気分です。このサイズにするためには、必要な選択だったのでしょう。今は納得して、全く不満はありません。

あとついでに携帯性ですが、小さく軽くなったので、Yシャツの胸ポケットにも楽に入ります。腰につけても邪魔になりません。これは無茶苦茶いいですね、毎日持ち運ぶ気分にさせてくれます。実際、毎日仕事に持って行っています(^^)

マイク/スピーカ端子

KENWOOD標準だと思うのですが、小さい方がイヤホン、大きい方がマイクで、筐体の横についています。C-520だと筐体の上についていて大きい方がイヤホン、V/UHF別々に2つの端子があるので、ステレオのイヤホンを使って左右からのV/UHFを聞き分けるなんて芸当ができます。イヤホンは市販品がそのまま使えたので、C-520の方の方式が良いですが、V/UHF両方を一つのイヤホンで同時にワッチすることは出来ませんでした。KENWOODの場合はイヤホン端子が小さく横についているので、イヤホンしか使わない場合でも専用品を使う必要があります。メイン/サブバンドが一つのイヤホンからMixして聞こえてくるので、どちらのバンドか聞き分けることは出来ません。音量分布は設定できるので、サブ側をメイン側の交信の邪魔にならないよう小さくしておくことは出来ます。

携帯電話用で良くあるような耳かけ式のイヤホンマイクを本体と同時購入しましたが、これは屋外で歩きながら使うシーンでは非常に使いやすかったです。前述のJARL臨時総会では一日中ワッチしていて、時折襟元のPTTスイッチを押しながら交信しておりました。また後日、社用車でワッチする時用にスピーカマイクを購入しました。スピーカマイクには標準サイズのイヤホンジャックがついているので、市販のイヤホンがそのまま使えます。あ、ちなみにどちらもKENWOOD純正品ではなく、サードパーティ製を選択しました。

充電機/電源関係

標準状態では、携帯電話の様に充電式になっています。ただ載せれば充電出来るスタンドには対応していなくて、付属のACアダプタのプラグを本体に差し込む方式のみ対応しています。これは今時でなく少し面倒です。同じ形状のプラグを別途入手すれば、13.8V定電圧電源やカーバッテリからの充電も可能です。

また、オプションのバッテリケースを購入すれば、乾電池4本での運用も可能です。ただし送信出力は下がりますので、イザという時用ですね。でも災害時に活用することを考えると必須ですので、本体と同時に購入しました。

本体を満充電にした状態での連続受信時間は、意外と長いです。先日のJARL臨時総会では8時間ほど連続で受信し、その間少し送信もしましたが、充電量に全く不安はありませんでした。また、社用車で1日数時間受信する程度だと、2週間ほど電池がもってくれます。今のところ、充電切れに遭遇したことはありません。他機と比べた事がないので普通なのかも知れませんが、結構長持ちするな・・・っと言う印象です。

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